こんにちは。歌人の篠田葉子です。 短歌を始めてからたくさんの歌を読んできましたが、評を書くことをずっと怠ってきました。好きな歌集から好きな歌を引いて、評を書いていきたいと思います。一首評から始めて、後々しっかりした歌集評を書けるようになりた…
流星を待つ / 篠田葉子 シーソーで流星を待つ おたがいにコーンポタージュの缶を煽って 褒められたニットを着回していれば永遠はあると思った 風花 スヌードを顎まで下げたから声の、わたしの湿度を見て 逃げないで 手と鉄の熱伝導率の違い ゆすれば軋むグロ…
冬にはなむけ、君のおかげ / 篠田葉子 驚きに主張に知識にすべて目を見開く君ですよ。そうですね。 動画ではぴよぴよのSEがつけられた君の両手の羽ばたきをもっと 届くかな 君のおかげと言うときの六等星までよく見える冬 太陽に地球から届くものはなに 届か…
水にさびしさ / 篠田葉子 一塊のグッピーたちの乱反射 あなたの顔が思い出せない 生殖で増えて分裂して増えて感情に似ているみずくらげ 進むたび青い暗さを取り込んでアクアリウムの幽霊になる 水槽にあぶくを吐く装置 人も海も滅んでゆくだけなのに 展示物…
two glasses of milk / 篠田葉子 飲まなくていいのに飲んだ牛乳が喉に絡まっている顔、でしょう だって橋の崩れゆくなか駆け抜けてきて初めての陸があなただ 告解のようにシャワーを(あなたのは罪じゃないのに) 頭から 背もたれに背をあずけつつ張り詰めて…
はじめに こんにちは、篠田葉子といいます。歌人です。 階田発春さんの記事「好きな短歌100首言えるかな(超短評つき)」を読み、面白かったのでやってみました。 階田さんの記事はこちら↓ note.com 学生時代に短歌を始め、社会人になってから少しのブランク…
夕暮れの国 / 篠田葉子 風はあの子から吹いてくる 夏の陽に光るきれいなままの上履き リプトンの紙パックにはストローを挿してひとすじ輝ける道 苗字じゃないほうであの子に呼ばれたらそれは人生が交わった音 ふたりきりなのに小声で教わった世界の真実 飛ん…
シュレディンガーの恋人/篠田葉子 居住地間の距離が交際関係や期間に及ぼす影響について この日々が共著論文 いつになればみんなに謝辞を告げられるのか 煌々とバスターミナル じゃあ、また の、の長さで夜を測れば 明後日は雪の予報のきみの街 重力加速度で…
仕事おわりに「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」を見てきました。前作の「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」から本格的にうたプリに触れたオタクが今回も映画を見に行ってブチ上がってきた話です。導入を書くのが得意で…
宇宙船みたいなワンルームで開くSNSへ救難信号 悪意なら希釈しといて Twitterの鳥の白さに負けないくらい 投げられた言葉は今もここにいる 醒めたばかりの悪夢のように 感情を語る言葉を手に入れてきみはいのちのいる星へゆく 水彩のからだが闇に滲むように…
www.youtube.com 「この海は、青いぼくらの墓標となる」 やられた、と思った。脳のどこかにある"好きなものレーダー"を強めに殴られたような気さえしました。短いクロスフェード動画の、この一言で好きにならずにいられませんでした。 「憂舟線」は、小説4編…
3年住んだ部屋から引越すために、断捨離と荷造りをしている。 とりあえず、一番ものが多そうで、一番要る/要らないの判別がややこしそうなクローゼットから着手していく。気づけば床一面に荷物が広がっていて、再び床が見えるようになるまでは眠れなさそう。…
2020年、こんなに先の見えない一年は初めてだったような気がします。 それでも、いつも心には大好きな音楽がありました。 ということで、2020年に知ってよかった曲をまとめながら今年を振り返りたいと思います。昨年はTwitterハッシュタグ #今年知ってよかっ…
ウルティラが、すごいらしい。 2019年9月20日、金曜日の夜。1週間の労働を終えてくたくたのわたしがTwitterのタイムラインを遡っていたところ、飛び込んできたのはウルティラで観る王国(うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム)のすばらしさを綴ったブロ…
最近の東京は雨続きで、夜はめったに星も見られないけど。 今日だって、宇宙には幾千の星が輝いているんですよね。 7/13。ライブ「YKMM ONE-MAN LIVE!! 2019 -Don't stop ACTION!!!-」に行ってきました。3連休の初日。わたしは続く日曜と月曜にもライブとイ…