ともしびのうた

短歌/永遠と一瞬と欲望と星とバナナの話

【短歌連作】シュレディンガーの恋人/篠田葉子

シュレディンガーの恋人/篠田葉子

 

居住地間の距離が交際関係や期間に及ぼす影響について

 

この日々が共著論文 いつになればみんなに謝辞を告げられるのか

 

煌々とバスターミナル じゃあ、また の、の長さで夜を測れば

 

明後日は雪の予報のきみの街 重力加速度で愛してる

 

対をつくれば強くなるから少女らのツインテールは翼の名残

 

口元のほくろを思い出したとき魚群のなかのひかる一匹

 

惰性とか将来性とか 二の腕を滑るくちびるぬるかったこと

 

野良猫をきみの名で呼ぶ 呼んだってここには来ないことに慣れてる

 

生きているかもしれなくて死んでいるかもしれなくて そっち降ってる?

 

ほしいときにくれる会話の糸口のアウフタクトのような短さ

 

曲がり角の先は見えない 恋人がいるんだろって笑っていいよ

 

(捨てられるかもね)わたしの帰路に撒くパンの代わりの梅のはなびら

 

パズルゲームのつめたい光できるだけ多くつなげて消せ、ってこわい

 

感情をまとめられずにあと何度夜行バスから見るだろう夜景

 

会うたびに実験装置は開けられてふたりはシュレディンガーの恋人

 

 

 

※過去発表した連作「シュレディンガーのわたしへ」を加筆修正したものになります

※現代詩歌のプラットフォーム「suiu」でも公開しています https://suiu.bubbleapps.io/rensaku/1694580673025x779055196478636000

アイドルの真髄、あるいはジェット機で迎えにきてくれた王子様たち 〜うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズを見たよ〜

仕事おわりに「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」を見てきました。前作の「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」から本格的にうたプリに触れたオタクが今回も映画を見に行ってブチ上がってきた話です。導入を書くのが得意でないのと一刻も早く本編の話をしたいのと書かないとどんどん忘れていってしまうので本編の話をします。とりとめもないです。

また、わたしは前作のマジLOVEキングダムからのファンでありうたプリの音楽をメインに楽しんでいるのでにわかゆえ色々理解の至っていないところがあると思います。大変申し訳なく思いますが、しかし書きたいので書きます。なので読みたい人が読んでください。

 

 

 

マジLOVEキングダムでのST☆RISHが王子たちの即位だとしたら、次に待ってるのは公務としての各国訪問というマジLOVEスターリッシュツアーズ。理に適いすぎてる。しかしこの王子様たちはそれだけではなく、自分でジェットを操縦してわたしたちを世界の旅に連れて行ってくれるんだな。令和は王子様がジェット機で迎えに来てくれる時代。

 

全曲曲がいい。どの曲も好き! だしあまりにも音楽としてよすぎる……今すぐ音源がほしいです。早くも搭乗の栄養素が切れかけてきている。こんな禁断症状みたいな……しかし今すぐにでも二回目を見に行きたい……せめて音楽だけでも聴かせてほしい……。

全編顔がいいカメラワークがいい。ふとした瞬間の表情が単一の感情だけでなく複合的な内心が読み取れるようなものになっている気がして、造形の繊細さ……と圧倒されました。みんな特にアンニュイな表情だったり、歌ってるときの必死さを感じる表情だったりが本当にそこに生きているようにグッときてさ……。あとカメラワークがなんというかスムーズというかプロの技術というか、なんかすごくなかったですか? そのカメラでメインで抜いてる人物の切り替えがスムーズだからか、結構視界がグルングルンするんだけどブレずに見続けられる。知らんけど。あとアンコールの時に歌ってるアイドルたちの背後から空に打ち上がった花火を映すのは天才の所業ですよ。

 

 

以下、各アイドルのソロ曲と担当の国とパフォーマンスについてつらつら。

 

音也くん。

いやソロ一人目からレベルの高すぎるパフォーマンスで来るじゃん!?!?!? しかし一十木音也というアイドルにとって音楽とギターは切っても切り離せない存在であり、そのパフォーマンスの舞台がロックの国・イギリスなの……雨が降っても雷が鳴ってもギターをかき鳴らして歌う音也くん、めちゃくちゃかっこよかったです。あと他のみんながわりと歌の他にダンスや振付もメインになっているパフォーマンスだったところ、"音楽"に絞って魅せてきた音也くんの、この、凄さ…………。

 

レンくん。

わかるよ!!! そうだよな!!!!! 大声出た(※映画館では出してません)。

しかしレンくんの恋から愛へ…そして未来にとRose Rose Romanceを経てのこのソロを聴くと、レンくんがこうしてわたしたちに愛を示してくれることがとてもうつくしい軌跡で奇跡のような気がしてきますね。狙い撃つようなファンサは映像にされると本当に心臓がバクバクしてしまうし、フラメンコがめちゃくちゃかっこよかったです……。一撃で見る者を等しく恋に落とす情熱的なパフォーマンス、神宮寺レンの真髄ですよね……。

 

セシルくん。

メンバー唯一で随一の異国情緒、エキゾチックさ、本当に本当に素敵だ……。普段あんなに人懐っこくて可愛らしいタイプの人なのに、演出と分かっていても本当に砂嵐に攫われて幻のように消えてしまいそうに錯覚する、そのバランス感覚がとても不思議で、そして正統派アイドルグループのST☆RISHにおいても、他のアイドルコンテンツのアイドルたちと並べてもとても珍しい種類の輝きであることを再確認した気持ちでした。

 

真斗さま。

マジLOVEキングダムの時も思ったんですが、彼のかっこよくて儚げで美しくて無垢な可愛らしさすらあるビジュアルは奇跡なんだよな……………………。ものすごいバランス感覚で成り立っている……。

パフォーマンスもスノードーム、ランタン、キャンドルなど派手さや大きな動きこそないものの、冷えた手を温めてくれるようなやさしく丁寧なものでした。あまりに美しい世界で、オーロラを実際に見たらこんな心地なのかもしれないとも思った。涙が出た。

あとですね……真斗さまがランタンをレンくんに預けて、そのあと一面のキャンドルに明かりを灯す演出………………………………天才がいる…………。あの二人の間には初期に何やら確執があったらしいことをうっすら知っている程度なんですが、それを踏まえて見ると真斗さまにとってレンくんはランタンを託せる相手になったということ、そしてランタンを託す相手ができたことでもっと多くの、アリーナいっぱいのキャンドルに明かりを灯すことができるようになったのかな……と思いました。

 

那月くん。

今までのメンバーのステージになかった食という文化、そしてファンがすぐに覚えられて一緒に踊れる振付。君こそ身近なアイドル!!!!!!!!! め〜ちゃくちゃめちゃくちゃ楽しかった! わたしたち一般人にとってはやはりアイドルって雲の上の存在、別の世界の人なんだけれども、こうして目線を合わせてくれるからこそ人の心を掴むアイドルなんだよな。スイーツとファンサービスのおもてなし、クマの着ぐるみとマカロンの……マカロンの生命体(???)の"かわいい"がたくさん詰まった、とても那月くんらしいパフォーマンスだった。

 

トキヤさま

ショービズの街ブロードウェイ! アメリカンドリーム! なるほど天才すぎる……野心と情熱の男が……すきだ……。

トキヤさまのソロ曲でSECRET LOVERとTarget is you!が二大好きな曲なんですけれども、お洒落なジャズっぽい曲に乗せてバリバリの野心を歌うの、完全にノックアウトです。ありがとうございました。

あんなスパンコールのジャケット着こなせるの一ノ瀬トキヤしかおらん。今作でもラメが命の輝きのごとくきらきらしてました。似合ってたな……かっこよかった……。

 

翔ちゃん

動きの激しさNo1! 底知れぬガッツとバイタリティで魅了するフィジカルアイドル来栖翔の真髄、本当にかっこいい人だなあ……。また中国という国の、知名度の高さや親しみやすさと長い歴史を誇る格式がどちらにも偏らず配分されていたのが素晴らしかったですね。でっかい那月くんが遠い世界から視線を合わせてくれるアイドルだとしたら、小柄な翔ちゃんは身近な世界からどこまでも夢を見せてくれるアイドル、といったところでしょうか。

 

UUUUもSAMURAIZMもメチャクチャかっこよすぎる……世界じゃ飽き足らず宇宙までも股にかけるし、最後は必ず日本に、そしてファンのもとに戻ってくるんだね……すごいなあ……。

 

いや二次元コンテンツでファンからのサプライズを演出するって今までありそうでなかったアイデアじゃないですか? うれしいよ。こんなことほんとにあるんだな……。

サプライズで会場の電源が消えたとき、みんなが戸惑うのと同時にファンの心配をしていたことにまずグッときてしまったし、そのあとサイリウムの文字が現れて、みんなが一瞬言葉を失ってからぽつぽつとため息や感想が出てくるのがさ……リアルで……こんな……。

 

あと今作はなんていうか、演出において"符号"をすごく感じました。個人の意見ですが。

終わりが次の始まりに繋がっていることをST☆RISHが歌で約束してくれるのなんてファンはそれだけで胸がいっぱいになるだろうに、STAR TOURSは「START OURS」になりうるし、Sの字の終わりと始まりを繋げば「∞」になるんだな……と…………思いまして…………………………………………………………………………………………天才?

 

生身の人間のパフォーマンスではなく、アニメーションのコンテンツとしてつくる以上、演者のパフォーマンスがその道のプロレベルまで引き上げられてしまうのは当然のことで、そうなるとなにが感動を生むかって言ったらそのコンテンツ・作品に乗ってくる意味やコンテクストになってくると思うんですが、スターリッシュツアーズはパフォーマンスもコンテクストも両方ともクリアしてる、クリアしてるどころかこちらの想定を軽々と超えてくるからさ……………………………………………………………………優勝のあと二連覇までしっかり約束されてるんですよね…………………………。

 

アンコールで新曲三曲?四曲?とさらに大トリにマジLOVE1000%を歌ってくれるってさあ!!!!!!!!! そんなことある!?!?

デビュー曲を今も歌ってくれるんですね……。本当にただの人気があるだけのアイドルじゃないんだよ…………。愛されている理由がきちんとあるんだよ…………。始まりの歌って聞いてもしかして1000%かな?て思ったけどほんとにそんなことあるんだ…………。

 

「アイドルの真髄は、見る側の欲望に対する順応性に長けていること」

これは以前わたしが応援していたアイドルグループのメンバーが雑誌のインタビューで答えていた言葉なんですが、うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEスターリッシュツアーズが全編通してこれ。ほんとうにこれ。息を呑むようなレベルの高いパフォーマンスも、会場一体となって楽しめるパフォーマンスも、かっこいいメンバーも、お茶目なメンバーも、手の届かないひとたちなのだと再確認させられる瞬間も、わたしたちと同じように胸を打たれて涙を見せる瞬間も、すべてがあの60分の中にあった。

誇張かもしれませんが言わせてほしい。うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズは、2022年の日本のアイドル最高峰のライブだと思います。

 

また搭乗したいな……。音源もほしい……。まだ見ていない人もぜひ観に行ってほしい……。本当によいライブであり映像作品だったので……。

短歌連作/宇宙船みたいなワンルーム

宇宙船みたいなワンルームで開くSNSへ救難信号


悪意なら希釈しといて Twitterの鳥の白さに負けないくらい


投げられた言葉は今もここにいる 醒めたばかりの悪夢のように


感情を語る言葉を手に入れてきみはいのちのいる星へゆく


水彩のからだが闇に滲むようにぼくの言葉が思い出せない


Lo-Fiなプレイリストをシャッフルし宇宙の音を部屋中で聞く


きみの選ぶ歌詞が好きだよSpotify、きみと会話ができなくたって

 

 

思い出と墓標の話 〜ノベルEP #憂舟線 感想文〜


www.youtube.com

 

「この海は、青いぼくらの墓標となる」

 

やられた、と思った。脳のどこかにある"好きなものレーダー"を強めに殴られたような気さえしました。短いクロスフェード動画の、この一言で好きにならずにいられませんでした。

 

「憂舟線」は、小説4編と楽曲5曲(とポエトリーリーディング)からなるノベルEPです。海上に浮かぶ環状線、4つの駅を舞台にした少年少女の物語。わたしの推しであるリアルとバーチャルを行き来するユニット・浮遊信号と小宵さんの最強タッグによる作品です。

青春時代にやりたかったこと、やり残したことをたくさん抱えたまま大人になって、わたしはかなり「青春」にまつわる作品に対する気持ちをこじらせているような気がします。憂舟線には、わたしがもう通り過ぎてしまった「青春時代」の気配を色濃く感じていて、手に取るのを心待ちにしていました。

 

あわい水色の封筒に入った、「憂舟線」の冊子とCD。それをゆっくり取り出す行為そのものが、青春のできごとを丁寧に思い返す作業のようで、なんてプロデュースがうまいのだ……と早々と白旗をあげてしまいました。

 

 

 

「憂舟線」の音楽について

 わたしは浮遊信号のあとり依和さん、esora umaさんの歌声がとても好きなのですが、そこに小宵さんの歌声がびっくりするくらい「ハマる」のでさらに好きの気持ちが強くなりました。esora umaさんとマッチさんの音楽も、音でジュブナイルの雰囲気を出すのがうますぎる。全曲通して明るい光とやさしい波が揺れているような雰囲気が漂っていて、以前から抱いている「音楽をつくれる人は脳みその中どうやって動いてるんだろう」という疑問がますます深まります。

浮遊信号の二人の声は、ちょっとハスキーでさらさらした手触りだな~と感じるのですが、小宵さんは声の透明感というかツヤツヤした感じがすごい。高音を出すときにカーンと突き抜けるように最高音に到達するのも聞いていてとても気持ちがよいです。好きだ。

 

個人的に好きな曲は「風流れ」です。ボーカルのメロディがオシャレで、ギターがかっこよくて刺さりまくっています。ていうかボーカルのメロディめちゃめちゃ難しくないですか……?? あれを美しく歌い上げるのなに???

 

音もさることながら、憂舟線は歌詞やポエトリーリーディングの詩(後述するけど小説も)が、素敵な言葉を選んで丁寧に書かれているな、と感じます。歌詞を読みながら音楽を聴くと、かつて味わったことのある色々な感情や思い出のなかの出来事がぶわぶわ蘇ってきます。それらは小説や歌詞の中のようにドラマチックなものではなかったけれど、確かにわたしが感じたものなんだよな、という懐かしさや(勝手に)共感されている感覚があって、そういう作品に出会えてとても幸せだな、と思います。

 

わたしの一番好きな歌詞がこちら。

相対じゃない世界に沈みいまあなたは私の汽水域

あなたの中に私はいない漂って流れてく枯れ花実

 

(花溺の約束 Liryc:esora uma

 

「憂舟線」の小説について

ハルとアキとトウヤ。三人は海上路線の駅で出会い、そして別れる。彼らが出会っていたのは青春の期間の、さらに短い時間のみで、その後も誰かと誰かがずっと一緒にいる、ということはない。人生のひとつの通過点にすぎないけれど、通過前と通過後でたしかに変わったものがある、ような。

一読して、懐かしくもあり、少し寂しくもあり、でも不思議と腑に落ちるような感覚で、しばらく胸がいっぱいになりました。人生を変えてしまうような出会いなんてそうそう多くはなくて(存在しないわけではない)、けれど人との出会いによって確かに変わるものはあって、それらをすべて集めて個人が形成されていく。そして、誰かと一緒にいた時間の長さと、その人が自分の人生における影響の大きさとは必ずしも比例しない。その「変化」の過程の一つが、海沿いの駅といううつくしい背景に丁寧に書き込まれている作品でした。

 

小説の中で特に好きなのは、アキとトウヤの出会いのシーンです。「鳥の架駅」で、「ここは酸素が足りていない。いつだってまるで深海のようだ。」というアキのモノローグがありますが、アキはその後トウヤと出会って「ここは呼吸が楽にできる」と感じています。

「呪いが解ける」物語が好きです。呪いを解いてもらったとしても、それ以上に二人の人生が交わることはないのもとても好きです。

舞台となった海には沈没船の話が伝わっているのですが、 それぞれの登場人物に「海に沈む」「深海」の要素を感じる台詞やモノローグがあるのはそのためかな、と思ったりしました。

 

 

個人的な感想や、「憂舟線」に触れて考えたこと

 ブログの冒頭に、クロスフェード動画のラストの台詞を引用しています。この文章の何が好きかって、「青いぼくら」と「墓標」という生と死の対比があるからなんですよね。

わたしは「四季の中で一番『死』を感じるのはいつ?」という問いに「夏」と答えます。夏が一番生命のエネルギーにあふれているから。その季節に「死」を置くことで、夏の生命力の強さや、死の生命力の薄さや、二者は表裏一体であることをより際立って感じられるから。

同じように、「人生の中で一番『死』を感じるのはいつ?」と聞かれたら、「青春」と答える気がします。一番生命力にあふれて輝いている季節だから。

だから、憂舟線を手にとるまでは、「青春」を舞台にした、すでに「死んだ」僕たちの話なのだろうと考えていました。

でも、CDを聞いて、小説を読んで、なんとなく「憂舟線」における「墓標」は、「死の象徴」以外の意味もあるな? という気がしています。

わたしは、「思いだすためのフック」だと思いました。

墓標がある、ということは、それがある限りいつでも思い出すことができるということ。そして、いつでも思い出すことができるということは、安心して忘れられるということ、なのではないでしょうか。

当時の感情を蘇らせるもの、当時の出来事を思い出そうとしてしまうもの。そのフックとなるものが「環状線を浮かべた海」である彼らが、あまりにもドラマチックでうらやましくなってしまいます。

 

「憂舟線」は、わたしにとっての「墓標」となりそうです。

 

booth.pm

 

 

 

 


www.youtube.com

とても夜食らしいカップラーメン

3年住んだ部屋から引越すために、断捨離と荷造りをしている。

とりあえず、一番ものが多そうで、一番要る/要らないの判別がややこしそうなクローゼットから着手していく。気づけば床一面に荷物が広がっていて、再び床が見えるようになるまでは眠れなさそう。

 

3年前は、まだ学生だった。

大学で使っていたレジュメや教科書をまるごとこの部屋に持ち込んでいて、今それが必要ないものになってしまったんだと気づいた。好きだった講義で使っていた参考書だけいくつか持っていく。本はあんなに捨てたのに、レジュメは一枚も捨てられなかった。とりあえず段ボールに詰めて実家に送る。

卒業式で袴を着た時の写真も出てきて、写真の中のわたしはだいぶ顔が丸くてパンパンだった。髪の長さは今とさほど変わっていなくて、このくらいの長さが好きなんだろうな、というところに落ち着く。

新卒で入った職場の研修プリントや、資格のための参考書を捨てた。書類は念入りにちぎって捨てた。少しだけ楽しい。

 

思い出の品はカラーケースに雑多に詰め込んであって、これも一通り目を通してはいらないものを捨てた。推しの地下アイドルの現場で使った、とっくに光らなくなったサイリウムを捨てた。あまり好きでなかったバイト先を辞めた時にもらった寄せ書きも捨てた。中高で撮ったプリクラも捨てた。プリクラって今も撮る人いるんだろうか。一時期集めていたポストカードもほとんど捨てた。

捨てたものの中でも、親友と撮ったプリクラと、幼馴染から誕生日にもらったポストカードだけは新居にも持っていこうと思った。

 

本とCDも、そこそこの量を捨てた。

実家から持ってきた勉強机を社会人になっても使っていて、机の下のシンプルな棚にはお気に入りの本とCDをずらっと並べていた。この机を使い始めてから、ここにはお気に入りだけを並べていたなぁ、と思う。

悩みに悩んで、CDをたくさん捨てた。推しの、推しだった地下アイドルのCDを、事務所の繋がりで好きになったアーティストのCDを、ぜんぶ捨てた。推しはもう地下アイドルを辞めてしまっていて、わたしにはもうドルオタをしていく気力が残っていなかった。CDを一枚一枚手に取って紙袋に入れるとき、タワレコやライブの物販でCDを手に取った瞬間がぼんやりと浮かんで、記憶はうつくしく風化していた。アイドルは時代を作るものだとつくづく思う。社会にも、人の中にも。

 

背骨と肩の関節と首の後ろから悲鳴が聞こえてきたので、いいところで作業を切り上げて夜食を食べることにした。3年の間にもう数え切れないくらいに使ったやかんでお湯を沸かす。

白い琺瑯のやかんは、内側が深い群青色になっているのがとても気に入っていて、夜の色だなあ、と使うたびに思う。夜の色の中で水がぐらぐら揺れているのが好きだ。電気ケトルが欲しかった時期もあったけど、なんだかんだこのやかんが相棒になっている。

 

夜に、作業をしていて、お腹が空いて食べるカップラーメンは何故だかとてもおいしかった。眼鏡を曇らせながら麺をすすっていると、これがカップラーメンを食べるシチュエーションのある種の「正解」、みたいなことが頭に浮かんではすぐ消えていく。

 

何となく文章に残しておきたいなと思って、スマホで文章を打ちながらスープを飲んだら98℃の醤油味がびょっと飛び込んできて舌をやけどした。

 

飲み切れなかったスープを捨てて、カップを冬の水でゆすぐ。とても夜食らしいカップラーメンを食べた。やっぱり一人暮らしはたのしいし、カップラーメンはおいしい。

 

 

 

勝手に選定! #今年知ってよかった曲総選挙2020

2020年、こんなに先の見えない一年は初めてだったような気がします。

それでも、いつも心には大好きな音楽がありました。

 

ということで、2020年に知ってよかった曲をまとめながら今年を振り返りたいと思います。昨年はTwitterハッシュタグ #今年知ってよかった曲総選挙2019 で投稿したんですが、今年はぜんぜんブログを書いていなかったのもあり、好きな曲についてじっくり考えてみたいのもあり、はてブでの投稿にしました。

わたしが好きになった曲が一人でも多くの人に知られたらいいな~と思うし、みなさんの「今年知ってよかった曲」もぜひお聞きしたいです。

※「今年知ってよかった曲」ですので、2020年以前にリリースされた曲も含まれます。悪しからず。

※以下敬称略でお送りします。

 

 

 

ユーロビート部門

哀唄日夜/星歴13夜

youtu.be

推しアイドルユニット「星歴13夜(せいれきじゅうさんや)」のキュートで切ないユーロビート。「あいかひぐらし」と読みます。いや〜〜〜〜〜〜この曲がリリースされて良かった。ありがとうコドモメンタルINC.。

ズン、ズン、ってビートが響くイントロ冒頭からテケテケテケテケで一気にバリバリのユーロビートになる流れがめちゃめちゃ好きで、来たー!ってここでテンションが上がる。いいですね。アウトロの終わり方もとっても好き。

曲・歌・詞ともに良いのは流石のコドメンクオリティ、といったところですが明らかにメンバーみんなの表現力が爆上がりしている。デビュー曲「おやすみ未来と恋乙女」からMVを追って見るとよくわかります。

MVもねえ、とても好きなんですよね。あの不思議な衣装とか不思議な舞台とか、時々入る画面のノイズとか。その辺はコドモメンタルBLOGを読むと分かりますので、MVまで見てくださった方はこちらも是非。

星歴ちゃんはいいぞ。

哀唄日夜

哀唄日夜

  • 星歴13夜
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

音楽ジャンルとの出会い部門

トウモロコシ畑のヌムホグ 星屑旅団JAZZアレンジバージョン/桐生蒼弥、九鬼煌真(JAZZ-ON!)

youtu.be

Q.JAZZ-ON!とは?

A.「JAZZ×高校生×青春」の音楽コンテンツ。

Q.「トウモロコシ畑のヌムホグ」って何?

A.「JAZZ-ON!」世界に存在する、「架空の国民的アニメ映画」のテーマソング。なので原曲はこの世にありません

いやすごいんですよこれ。「架空の国民的アニメ映画」のテーマソングを「エレクトロスウィングにアレンジ」して演奏・歌唱してるんですよ。クリエイティブのパワが唸りまくっている。この曲をきっかけにエレクトロスウィングを聞くようになりました。

エレクトロスウィングとしてお出しされたことでアダルティでお洒落な雰囲気に仕上がっていますが、この曲の面白いところは「国民的アニメ映画のテーマソングとしての原曲」の面影が歌詞から見えるところだと思っていて。

桐生蒼弥と九鬼煌真が歌っている「Blinking one's eyes often」「Fluffy, shaggy, steadily」の箇所で、MVだと前述の英語の詞と「ぱちくり・ぱちくり」「ふわふわ もふもふ どんどん」っていう日本語の詞が両方表記されてるんですよね。原曲の方ではきっとかわいらしい日本語の歌詞で、星屑旅団がアレンジするにあたってジャズの雰囲気に合わせて英語にしたんじゃないかな〜という気がします。いやJAZZ-ON!の世界のちびっこたちが「ふわふわもふもふどんどんおーおーきーくーなーーるーーー♪」って歌ってるところ、見たくないですか?  私は見たいです。

トウモロコシ畑のヌムホグ 星屑旅団JAZZアレンジバージョン

トウモロコシ畑のヌムホグ 星屑旅団JAZZアレンジバージョン

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

巨大感情部門

正体/九頭玲央&瀬尾浩太[雪白東、高遠丞](A3!)

A3!冬組第三回公演「真夜中の住人」のテーマソングです。歌詞を読むと二人の関係性や、文字通り「正体」がわかると思うのですが、それを踏まえた上でここだけ、ここだけ読んでほしい。

半端な覚悟なんかで 連れていけとは言わない
似たもの同士なんだよ きっとふたりの正体

https://j-lyric.net/artist/a05d765/l043496.html

ッスーーーーーーーーーーーーーーー(深呼吸)

なるほど……なるほどね……いやこの、この台詞この呼びかけが出てくるって"相当"じゃないですか……。ほとんど確信のような直感……。これを相手に投げかけるわけですからね……感情、なんぼ巨大でもええですからね……。

もちろん歌詞だけでなく、インストもめちゃめちゃに素敵です。そこに柿原徹也さん&佐藤拓也さんというええ声&ええ声、歌うま&歌うまのタッグで乗っかってくる歌唱がたまりません。

A3!は今年の6月頃にはまって、他にも色々好きになった曲はあるのですが(最推し七尾太一のLiving The Dreamとか)、特に好きなタイプの感情を提供してくださったこの曲を選びました。

正体

正体

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

2次元アイドル部門

Me Against Myself/Anthos(華Doll*)

youtu.be

「深淵に覗き込まれる2次元アイドルコンテンツ」こと華Doll*。昨年リリースのデビュー曲からそのクオリティの高さに撃ち抜かれつづけております。こちらはAnthosの4枚目のシングル曲ですね。聴いていただけました?

オリンピックのダイジェスト番組のテーマソングじゃん?  そんな感じの「平和」の音がしてるじゃん??

3rdシングルのカップリングとして出た「ChangeYourWorld」はオリンピックの閉会式のテーマソングみたいな音なんですけど、こっちはダイジェスト番組のイメージ。はなどるのおかげでトロピカルハウスを知りました。ありがとうはなどる。初めこそストーリーが地獄のしんどさじゃん…と思っておりましたが、その実とても丁寧な「少年たちの衝突と成長を描いた人間の物語」でしたね。Floweringシリーズのドラマトラックは完結しましたが、メチャメチャに泣いてしまいました。ありがとうはなどる。12月になって先輩ユニットLoulou*diの情報や楽曲も公開されましたね。今後の展開もとってもとっても楽しみにしています。

Me Against Myself

Me Against Myself

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

2次元バンド部門

移動手段はバイクです/DOKONJOFINGER(SHOW BY ROCK!!)

youtu.be

今年はVtuberの方に手を広げすぎており、またコロナ禍によって全くと言っていいほどライブハウスに行けませんでしたが、そんな状況下で「ライブに行きたいなあ」「ライブハウスで大暴れしたいなあ」という気持ちを思い出させてくれる一曲でした。

タイトルで聞き手を引き付けておいて、イントロからゴリゴリにかっこいいギター&メインボーカルの口上から始まります。ここでぐわっとテンションが上がって身体が臨戦態勢になるんですよね。からのメンバー全員で「よろしくお願いしまーす!」。いやこんなに楽しいことある!? その後はリフレインするギターのフレーズだったり、まくし立てるようなドラムだったり、反骨精神むきだしの歌詞だったりに飲み込まれてしまう。

暴れたい。ライブハウスのあの暑苦しい空気と内臓に響く大音量とモッシュの衝撃とツーステのキツさを体感したい。またライブハウスにもクラブにも行きたい。以前の日常が戻ってくる保障がなければ見通しも立たない日々ですが、この曲をはじめとした音楽があることで気持ちが救われています。

移動手段はバイクです

移動手段はバイクです

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

2次元アーティスト部門

NEMOPHILA/QUELLツキプロ

youtu.be

ツキプロ、実はツキパラでちょっとだけ触れて自然消滅(?)していたんですが、フォロワーさんから教えてもらって聞いたのがこの曲。以前からツキプロは(正直なところどのユニットも魅力的すぎて選べないのですがあえて言うなら)推しはQUELLだな~と思っていたのですが……ですが……。いやめちゃすごくない……? QUELLは家族のように穏やかなメンバーの関係性であったり、かと思えばものすごいテクニックの歌唱を披露してきたり、鋭く研ぎ澄まされた氷のような音楽だったり、透き通って流れ続ける水のような音楽だったり……。方向性が一貫していながら、その中でめちゃくちゃ広い「幅」を見せてくれるのが楽しいですね。このNEMOPHILAも声優さんたちの声質・音域が幅広いながらもスッと一本の線に収束するようなユニゾンや、その後ろで響いているコーラスが合わさってとんでもないオシャレミュージックに仕上がっています。いや本当に一曲の完成度が凄いんだが?

明確な違いがあるわけではないものの、「ツキプロ」の4グループは「アーティスト」という立ち位置であり、各グループの色がはっきり出ているように感じます。

ツキノ芸能プロダクションがサブスクを解禁してくださったので、ぜひいろんな人に聞いてほしいですね……。

NEMOPHILA

NEMOPHILA

  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

3次元女性アイドル部門

PLATONIC GIRL/わーすた

youtu.be

推しのアイドルは数多くあれど、じゃあ一番「すごい」と思うアイドルはだれなの?と聞かれた時に、わたしはめちゃめちゃ迷って迷って彼女たちを挙げると思います。

本当に!! ダンスもボーカルもめちゃめちゃめちゃめちゃクオリティが!! レベルが高いんですよ!! 普段は5人全員が歌ってるんですが、こちらの動画でボーカルを担当している三品瑠香ちゃんと廣川奈々聖ちゃんのツインボーカル曲は特に群を抜いてヤバという気がします。頼むから一度曲を聞いてくださいお願いします。サブスクもありますから!!!!!!! すごいんだよ!! 本当に!! パフォーマンス力(ぢから)が!!!!!!!!!!

PLATONIC GIRL(Instrumental)

PLATONIC GIRL(Instrumental)

  • わーすた
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

3次元男性アイドル部門

morning light/嵐

嵐もサブスク解禁に伴って聞いたアーティストのひとつなのですが、これは彼らのアイドルとしての実力を見せつけてくれる一曲だと思います。

morning lightはアルバム「Beautiful World」に収録されている曲です。フォロワーさんに嵐のおすすめ曲を聞きながらサブスクを漁っていたところ、このアルバムの真っ白いシンプルなジャケット写真と、タイトルの「morning light」の文字が飛び込んできました。なんとなく、朝の爽やかな光が脳裏に浮かびます。

しかし、再生ボタンを押した途端、そのイメージが一気に塗り替えられます。いや、明るい朝の日差しとは違う。これ深夜に飛び立つ飛行機を照らす空港の眩しいライトじゃない?? 夜明けに向かって飛行機を導く人工の光みたいな音じゃない?????

「morning light」というタイトルの曲をこういうメロディーと歌詞にしたの、本当に天才だと思うんですよね。タイトルに持ってきたモチーフそのものを表現したような曲ではなく、タイトルから想像されるのと対極のイメージで、そのモチーフを引き立てる曲があり、そしてその曲を歌いあげることができる。本当に、彼らは凄いアイドルなのだと改めて実感した曲です。

morning light

morning light

  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

声優ユニット部門

SING ALONG!/UMake

2019年末からずっとずっとリリースを楽しみにしていました。短い試聴を何度も聞きながら、フルで聴けるのを心待ちにしていました。ゆめラジに載せられたアコースティックverも擦り切れるほど聞いていました。

「祭り」をテーマにつくられたこの曲は、とにかく、とにかくお祭り気分になれるハチャメチャ楽しい曲です。スカっぽいテイストに乗ってでたらめなダンスを踊りたくなるし、Yeah Yeah Yeah!のところででっかい声をあげたくなってしまうんですよ。

この曲が収録されたアルバム「TRIPPER!!」を引っ提げたライブが、今年の2月に開催されました。あのライブに行けて本当によかった。今でもこの曲を聴きながら、あの新木場コーストでの楽しかったライブをかみしめるように思い出します。この曲があれば、毎日が祭りなんですよ。

SING ALONG!

SING ALONG!

  • UMake
  • J-Pop
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

エンパワーメント部門

The Emperor(らっぷびと feat.濱健人)/ZiNG

今年は個人的に色々と波乱の年でもあり、自分のこれからの人生についてたくさん考えた一年でした。大抵そういうときは思考がネガティブの方に進んでしまって、気持ちが落ち込むときも多かったのですが、それでも毎日は同じようにやってきます。仕事にも行かないといけません。

そんな日々に通勤電車で聴いていたのがこの曲でした。推しの濱健人さんが歌ってる! 聞こ! というノリで買った曲なんですが、まさに聞くエナドリらっぷびとさんのフロウも濱さんのがなりの効いた歌声もベースとドラムがバキバキゴリゴリのインストも、全てが力強い。バンドサウンドから荘厳な鐘の音が入ってきて、ギターがギュインギュイン唸って、疾走感のあるメタルっぽいサウンドになって、落ちサビで静かな低音を聞かせてから、一気にキーが上がって最後のサビに移行する爆発みたいな威力。目まぐるしく展開が変わって一曲で何度もおいしい。リングに上がる格闘家のように、自分の中の闘志を燃やしてくれる音楽です。たくさんお世話になりました。ありがとう。来年もお世話になります。

The Emperor (feat. らっぷびと & 濱 健人)

The Emperor (feat. らっぷびと & 濱 健人)

  • ZiNG
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

ボカロ曲部門

ボッカデラベリタ/柊キライ

youtu.be

Vtuberにハマりだした頃「なんかこの曲色んな人がカバーしてるなぁどんな曲なんだろ」のノリで聞いてどハマりしたやつです。ここから柊キライさんの曲を聞くようになりました。ラブカ?もめちゃめちゃよかったですね。

なんだろう……この方の曲はちょっとした言葉の選びとか、短い音のリフレインでリズムを作ってる歌詞とかがドツボです。あと今年はエレクトロスウィングにハマったのでその辺のジャズっぽいテイストが入ってる曲が多いのも好き。柊キライさんとVtuberのみなさまのお陰でまた自分の中でボカロ曲に火がついてきた気がします。

ボッカデラベリタ

ボッカデラベリタ

  • 柊キライ
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

ヒーリング部門

また明日/MonsterZ Mate

youtu.be

今年の6月ごろだったと思うんですけど、メンタルがめちゃめちゃで仕事も人間関係もうまくいってなくて、そんなときにマシュマロで教えてもらって聞いた曲です。

ゆったりしたトラックにコーサカさんのフロウが気持ちよくて、辛さに寄り添ってくれたり、それでも俺は頑張るよって姿勢を見せてくれたり、飾らない言葉で励ましてくれたり……歌詞の距離感がしんどい時の人間に丁度いいな~って思いながら何回もMVを見てはボロボロ泣いてました。静かにガス抜きをしてくれるというか、フラットな精神状態に戻してくれる曲です。

この曲からMZMを好きになって、他の音楽を聴いたり動画を見たりしながらVtuberの沼にズブズブしていくのですが、その辺の話はまた別の機会に。

(もともと2020年の上半期の時点でこのブログを公開する予定だったのですが、下書きに「Vtuberにハマるの怖い」「でもMZMの音楽もっと聴きたい」「曲買うか……」みたいなこと書いてあって笑った。半年後すっかりファンになってますよ。)

また明日

また明日

  • MonsterZ MATE
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

ダンス部門

Someday Someday/銀河アリス

youtu.be

お銀、こと銀河アリスちゃんもわたしのVtuber趣味にめちゃめちゃ影響したVの一人ですねえ。

普段の動画ではポンコツをいかんなく発揮しているお銀が、こんなかっこいいダンスパフォーマンスをするなんて聞いていなかったし(それはそう)、何より彼女自身が振付したって知ったときの驚きたるや。むちゃくちゃキレッキレでかっこいいんですよ。おまけに曲も詞もいいんですよ。あと普段の動画の声と歌声がだいぶ違う方なので、そこもギャップに拍車がかかってるな~と思います。他の楽曲でもつよつよのダンスとお歌を披露しているのでぜひ見てみてください。オススメのVです。

お銀が鈴鹿詩子さんに「45秒で何が出来る?」のダンスを教える動画を見たんですが、「楽しく踊る」「見てくれている人に伝わるように踊る」ことを大切にしている人なのだろうな~と思います。きちんとファンに届いてますよ。

Someday Someday

Someday Someday

  • 銀河アリス
  • エレクトロニック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

グランプリ

hero_/MonsterZ MATE

youtu.be

この曲はまさにわたしのヒーローでした。

2020年はコロナ禍をきっかけに良くも悪くも身の回りの色々なことが動いて、このご時世に転職をすることにしました。が、貯金もないので仕事しながらの転職活動になった結果、まあメンタルが削れる削れる。応募書類の作成も面接対策もやってて自分の見たくないところや嫌いなところしか見えてこないし、現職がコロナ禍によって忙しくなったので毎日へとへとで。

それでも、周りのサポートやフォロワーからの励ましなどを得つつ、なんとか現状を打破したいという気持ちを持って転職を決めることができました。

その、「気持ち」を何度も何度も支えてもらった曲です。

アンジョーさんの伸びのいいハイトーンとコーサカさんの畳み掛けるようなラップで繰り出される歌詞が、前に進む力をくれました。トンネルを猛スピードで抜けたあと青空の下で歌う二人が映るMVに、自分のこれからの人生の明るさを信じることができました。歌詞の引用をしたかったんですが、どこをとってもわたしが救われた言葉ばかりなのでどこも引用できませんでした。ぜひ読んでください。

MonsterZ MATE hero_ 歌詞 - 歌ネット

また、10月28日にリリースされたMZMの2ndアルバム「255」の通常盤には、hero_の副部長アコースティックRemixが収録されています。こちらも大変な名曲に仕上がってますので、気になる方は是非。原曲が「トンネルを通り抜けた後の青空のような曲」なら、こちらのアコースティックRemixは「その青空に向かって自分の翼で羽ばたいていく曲」だと思っています。

hero_

hero_

  • MonsterZ MATE
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

music.apple.com

 

 

書けた〜〜〜!!!!!(ここまでで約8400文字)(クソ長い)(そもそも選んだ曲数が多い)

今年もたくさんの良い音、良い歌、良い歌詞、良い曲との巡り合わせがありました! ありがとうございました!

来年も自分の好きに誠実に生きたいです。いい曲にたくさん出会えますように!

ウルティラ入国したら現地で推しと目が合った話

ウルティラが、すごいらしい。

 

2019年9月20日、金曜日の夜。1週間の労働を終えてくたくたのわたしがTwitterのタイムラインを遡っていたところ、飛び込んできたのはウルティラで観る王国(うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム)のすばらしさを綴ったブログだった。曰く、スクリーンがとにかくでかい。曰く、プリンスさまたちと目が合う。曰く、音がよい上にめちゃめちゃリアルで腹に響く音圧。曰く、それはまるで現地。なるほど。映画の形をとったライブビューイングと名高い王国をこんな環境で観ることができたら確かにたのしそうである。港北ニュータウン、でもきっとチケットもう完売してるんでしょう?

……ん!?  チケットまだ取れますね!?

f:id:sazanamint:20190921182649j:image

テンション爆上がりの図

 

えっ行くしかなくない!?!?電車…電車は…1時間弱!!!!!!行けるぞオイ!!!!!!!

オタクエンジンに火が灯った。土曜日片付けようと思っていた予定を調整しチケットを取る。前回プリンセスの先輩方との入国にご一緒させてもらったとき、上手前方だとファンサを怒涛のように浴びれると教えてもらったので座席はそのあたり。早寝しようとしたけど、この時点で既に楽しみすぎてなかなか寝付けなかった。遠足でも修学旅行でも「楽しみすぎて眠れない」というのが全くなかったわたしが。

f:id:sazanamint:20190921183802j:image

 

そうして2019年9月21日。

わたしはウルティラ入国のため、イオンシネマ港北ニュータウンのあるノースポートへ降り立ったのである。

 

ちなみにわたしは王国で完全にうたプリに転がり落ちたタイプの新米プリンセスであり、建国前はスタリとカルナイの顔・名前・CVが一致しててちょっと曲を聞いた事のある程度のオタクです。入国してからソロベストアルバムを買い始めました。推しは一十木音也くんと一ノ瀬トキヤさんになりそうです。

 

 

 

〜ここから急激に文章が理性を失います〜

 

f:id:sazanamint:20190923082015j:image

ウルティラの衝撃は上映前から始まっていた。

チケットを切ってもらってマジLOVE LIVE上映の行われる1番シアターへ入る。入口から…暗い通路を抜けて…階段状の座席の横を通っtえっスクリーンもう見える  でかくない?

でけええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

えっなんエ!?!?!?!?スクリーンでかい!!!!!!!!!!!!!うまい比喩が思いつかないけどとにかくでかい!!!!!!!!!!!!!普通の映画館とぜんぜん違う!!!!!!!!!!!!!

わたし今年の5月にスマホをアインホホSEからアインホホXSにしたんですけどそのときくらい大きさの差が歴然!!!!!!!!!!!!!あっ比喩できたわ

 

着席してよーくスクリーンを観察してみると、いやあでかい これはでかい 縦にも横にもでかい でかいスクリーンがゆるいカーブを描いて重々しくそこに在る
スクリーンがでかいから上の方見ようとするとそこそこ見上げることになる  スカイツリーか?  えっマジででかい……

そのスクリーンに現れる機関車!!!!!長い脚!!!!!!!!!!!!!鋭い汽笛と笛の音!!!!!!!!!!!!!

 

あの瞬間わたしは“そこ”にいました。

わたしの意識は月の下のあの機関車のもとに在り、汽笛と笛の音、それから機関車が出発する鐘の音が空気を震わせるのを感じ取りました。

いやほんとなんですマジでそのくらいの臨場感があったんですすごい

そして!!!!!!!!!!!!!オープニングの推し……

(ウオーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!)キャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!

推しの顔がいい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!でかいスクリーンで観る推しの美しい顔は健康にいい  エゥ……既に黄色い声を上げてしまう  ていうか自分では野太い声を上げているはずなんですが黄色い悲鳴か歓声に変換されて出てきてしまう

それでね  それでね  大きなお城の塔に現れたST☆RISHくんたちをマジで見上げて出迎えたんですよ  

いやあの大きさのスクリーンほんとすごい  実在のおおきさにキャラクターが見える  正面のステージから人間が降りてきて、自分のすぐそこにある花道を人間が通っていくときの大きさに見える  X軸方向にもY軸方向にもZ軸方向にも視界が広い  えっここ現地じゃん?

視覚からの情報もさることながら、音の迫力、特にファンの歓声や声援、コーレスがマジで現地のそれ  本当に映画館の客席のあちこちから、場合によってはすぐ隣から声が上がってるって感じるんですよ

つまり映画館はライブ会場  ライブ会場は映画館  ここは現地!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(錯乱したオタクの絵文字)

周りから聞こえるコーレスに釣られてでかい声になるわたしのコーレス、それでもかき消されるというか現地のオタクの歓声と溶け合うくらいの音の大きさ  すごくない?  すごくないですか?  すごいって言え

ア〜〜〜〜TWIMの演出ヤッベエ!!!!!!!!!!!!!えっ今目の前を黒崎蘭丸のレイピアの切先が横切りましたが  たぶん風を切る音もしてたウワーーーー迫力すご!!!!!!!!!!!!!これ本当にアイドルのライブですか!?!?!?!?!?!?!?!?

ギラギラでいちめんの青に染まる会場!!!!!!!!!!!!!きれい!!!!!!!!!!!!!  えっあのカルナイのパフォーマンスから一瞬で会場を青に染めるへぶんず……かっこいい……

会場全体が青い光に包まれたちょっと暗い中で皇綺羅のきらきらの金の瞳がギラギラ光る光る光る

ウウーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!すごい!!!!!!!!!!!!!ギラギラしてる!!!!!!!!!!!!!ギッラギッラギッラギーラたのしいーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

事件はUDUで起こりました。

「あぁ…必ずトリコ」

ヴァンさんの後ろに美風藍さんと一十木音也くんが立って  一十木音也くん、身体は横むいてるんですけど目線だけこっちに(観客もしくはカメラの方に)向けてて

 

一十木音也と、目が合いました。

 

流し目の一十木音也と、目が合いました。

 

画面がでかいので細かいところまでよく見えるんですけど…瞳孔の位置もはっきり見えて…こっちむいてて…

は?

そんなことある?

不意打ちすぎてしばらくキンブレ振れなかったんですがエゴイスティックの檻ドシャーン!!!!!!!!!音響が良いと低音もズンズンくるからまじで近くで檻が倒れたように感じるほどの迫力  エッゴイスティーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(心でデスボ)(たのしい)  かっっっっっこいいな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あFeather in the hand……美し……美し……羽が降ってる……カミュ様のお手を離れた羽は光の粒子となって消える他ない運命なのである……

いやあんな水ばんばん吹き上がっててもかすまない3人の美しさis何?  むしろ大量の水が美しさを爆上げしておりますが?  噴水に紛れてアフロディーテも裸足で逃げてったが?

相愛トロイメライア"アッ!!!!!!!!!!!!!このでかいスクリーンでR18の振り付けで踊るのはジェノサイドでしかないのでやめてください  いちばん露出少なくて重そうな衣装のユニットがいちばんセクシーってある種のバグなのでは?  バッカ野郎セクシーには見せるセクシーと隠すセクシーがあるんだよ!!!!!!!!!!!!!これは隠すセクシー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

神宮寺レンさん脚長…………股下5kmある……えっ……わたしあの下かがまないでも通れるんじゃない……???

カァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜かわいいのにかっこいい!!!!!!!!!!!!!かっこいいのにかわいい!!!!!!!!!!!!!なんで!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?キュンキュン!!!!!!!!!!!!!キュンキュン!!!!!!!!!!!!!ウーーーーーッッッメイビーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!(クソバカデカ声)(爆裂たのしいの感情)  脳内では「来栖翔」「帝ナギ」「天草シオン」のテロップが創英角ポップで出てきてピンク黄色黄緑にビカビカ光っているので完全に目をかっ開いて普段より2オクターブ高い声でコーレスするだけの機械と化した

3人とも肌が若々しすぎてヤベエ今わたし肌荒れしまくっててやばいからちょっとわたしに移植してほしい

カクテルグラスに乗った推しを〜〜〜〜〜見上げてる〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!アングルがマジで現地

今手を伸ばしたらソーダくんに届いちゃうな

アアアカレスコが来るあっ推し…今推しが目の前通った通………飛んでる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!エェン爆速で通り過ぎた…

明らかに首が太くて胴体が厚いとわかる日向大和さんいい身体  すご……パワータイプのアイドル……

えっここまで5分しか経ってなくない?えもうMC?ゼエハア

 

乱れた呼吸を整える暇もなくMCが始まります。
本当にやばいのはMCだったかもしれない……アイドル一人一人の肌の艶・透明感(興奮)、MCのとき気まぐれに唇からちらっと覗く上の歯とか下の奥歯とかそのエナメル質の質感とか(頻脈)、瞳の虹彩の模様とか微妙な色合いの濃淡とか反射してる光とか(発熱)、まあ様のお耳を縁取る影の濃淡の繊細さとか(血圧上昇)、鳳瑛二くんの頬骨あたりにそっとかかる髪の毛とか(呼吸不全)、そこそこの音量で聞こえてくるMCの合間のブレスとか(心肺停止)、そういうのに全部全部生きている人間のような質量がある  2次元のアイドルのはずなのに実在性があってそこに生きてる  いのちが煌めいてる……いのちいきいき……オタクは瀕死……

いやマジでいのちの光が煌めいてるんだよ信じてくれウルティラで見ればわかる

あとはわたしがウルティラのゴールドじゃない席で見たからかもしれませんが、「現地のアリーナの目線になれる」んですよ

スクリーンの下部にファンのサイリウムが映るシーンだと、ちょうどわたしの目線の高さにファンのサイリウムがくるので視界いちめんが光の海  この煌めきは100%現地  なのでカレスコ組MCの日向大和さんのファンサでジュッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(蒸発)

 


ここまで来るとコーレスもふにゃふにゃした悲鳴にしかならず、しかしライブは無情にも進行します

愛を捧げよの衣装の刺繍とか金のパイピングとか袖口のところの生地とかに上品で高級そうなラメが入ってるんですが、それがイントロの暗い中でも光ってるたぶんエンジェルたちのサイリウムの光をひろって光ってる!!!!!!!!!!!!!ラメまで!!!!!!!!!!!!!いのちいきいき!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ヤバイ  ウルティラで鳳瑛二の「細胞から煌めく」を聞いてしまったわけですがあの瞬間わたしは座席ではなく鳳瑛二の美しいビブラートに包まれてた  わたしも細胞からきらめいちゃった  ありがとう…………エゥン………………(動作を終了しました)

FTTF……いや曲単体でもエモさの塊なのにウルティラで聞くともうむり死んじゃう  引きのカットが完全に会場のアリーナ席から眺める人間のおおきさだった  実在性………………

途中からもうほんとに涙が止まらなかったカルテットナイトありがとう

もうだめだウルブラは完全に現地の気持ちにのめり込みすぎてて記憶が無い  ただ本当にあそこは現地だったしわたしは現地のアリーナ席で参戦してたしユニット曲としては今までなかった曲調のウルブラを披露してたST☆RISHはめちゃめちゃにかっこよかったんだ

 

 

楽しかった。本当にすばらしい体験だった。

あんなに楽しかったのにもう終わっちゃうの? ほんとに?  まだ5分しか経ってなくない?  ウウ永遠なんてないのは分かってるけど……分かったよ……このウルティラ入国の記憶を抱いて明日からも生きていくからね……………………

 

ああ劇場が明るくなっちゃう  楽しかったなあ…………

楽し……………………

 

どん

f:id:sazanamint:20190923082318j:image
スクリーンさん「みなさまのおかげで祝☆建国100日(ST☆RISHの描き下ろしっぽいイラスト)」

 

ぼく「アーーーーーーーーー!?!?!!!!!!!!!!!!!」

みんなたち「ウワーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

いやそんなことある!?!?!?!?「あっ入国しよ」のノリで現地に行った日が(現地ではない)!?!?!?!?!?!?!ちょうど建国100日!?!?!?!?!?!?!?!?運命じゃん!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?ありがとう王国のすべてにありがとう建国100日おめでとうございますゆっくりだけど絶対ゲームもやるのでよろしくお願いします!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

2019.09.23  加筆修正&画像を追加しました